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- 人・地域・社会がつながる国際芸術祭「東京ビエンナーレ2023」はじまり展が開始
画像提供:東京ビエンナーレ
“東京”のまちを舞台に2年に一度開催する国際芸術祭、東京ビエンナーレ。2023年7月からスタートする「東京の地場に発する国際芸術祭 東京ビエンナーレ2023」のプレイベント、「東京ビエンナーレ2023 はじまり展」が、台東区の東叡山寛永寺など都内複数の会場で始まっている。
今回の東京ビエンナーレのテーマは、「リンケージ つながりをつくる」。東京の地には、江⼾時代から積み重なってきた歴史や⽂化、暮らしの層が存在する。ビエンナーレでは、その⼟地の層をていねいに読み解きながら現代社会における⼈と⼈、社会、地域、歴史とのつながりを捉え直していく。
企業や団体、地域コミュニティや市民サポーターが連携
東京ビエンナーレ2023の主要プロデューサー、ディレクター陣。中村政人さんと西原珉さんが総合ディレクターを務める(中央のお二人)。
撮影:MASHING UP
2022年10月5日、会場の一つである寛永寺で発表会が行われた。
総合ディレクターを務めるのは、アーティストで東京藝術大学教授の中村政人さんと、今年から加わったキュレーター・心理療法士の西原珉さん。
「東京ビエンナーレ2023は、『東京の地場』というのがポイント。芸術祭と聞くと、世界から選ばれた方が美術館などで発表することが多いですが、我々は江戸・東京の文化を大切にしながら、その流れを芸術という切り口の中で発展させていきたい。
またテーマの『リンケージ』は既存のつながりだけでなはく、『つながりを見つけること』や『新たなつながりを創造すること』という広がりのある意味も込めています。東京ビエンナーレは、縦横のつながりをつくりながら、物や出来事のあり方・関係をより広く捉え、さらに深く考えていく取り組みです」(中村さん)
リンケージとは、⼈間関係だけではなく、場所、時間、⼈、⽣物、植物、できごと、モノ、情報などあらゆる存在が複雑に関係しながら、刻々と変容していく世界に⽣きているからこそ⾒いだされていく「関係性=つながり」のことを示す。
東京ビエンナーレは前回、2020〜21年に開催され、70名以上のアーティスト、17の地域コミュニティ、500名を超える市民サポーター、24の企業・団体が参画して実施されている。今年も市民参加型の継続的な取り組みをさらに強めていく方針だ。
東京に点在する12のリンケージを巡る
日比野克彦さんの作品「ALL TOGETHER NOW 《Transforming box series》」
撮影:MASHING UP
はじまり展では、寛永寺(台東区)、東京ドームシティ(文京区)や千代田区のコミュニティアートスペースである優美堂など、全12の「リンケージ」が公開予定だ。
寛永寺会場の作品をいくつか紹介しよう。まず、渋沢家霊堂前庭に展示されているのは、同じ上野にある東京藝術大学の学長、日比野克彦さんの作品。
寛永寺には、徳川家の15人の将軍の内6人が埋葬されている。写真左奥に積まれた組み立てられていない6枚のダンボールがその6人を表しており、別の場所で眠っている9人を立体のダンボールで表現。ダンボールは現代の物流ネットワークを意味するもの。将軍たちが各地から集まり、過去や未来を語り合う物語を再現したという。
鈴木理策さんの作品「1868」
撮影:MASHING UP
根本中堂の中には、写真家・鈴木理策さんの映像スナップ作品を展示。1868年、徳川慶喜は将軍の座を失った際、徳川家存続のため寛永寺で閉居した。鈴木さんはその歴史を知り、会えない人や見えない景色に思いを馳せる様子を、現代のコロナの期間に重ねたという。
西村雄輔さんの作品「Echo works」
撮影:MASHING UP
西村雄輔さんの「ECHO works」は、かつて寛永寺の土地であった上野公園の土を混ぜ合わた地層のような複雑な色合いをした柱を起点とし、各所と意識をつなぐ紐が張り巡らされている。この作品は、善光寺で阿弥陀如来と参拝者をつなぐ回向柱から着想を得ており、この柱に触れることで過去の歴史や未来とつながることをイメージしたという。
総合プロデューサー・中村政人さんの作品「メタユニットM1プロジェクト」
撮影:MASHING UP
今後もシンポジウムやトークセッション、ガイドツアーなど、さまざまな関連イベントが予定されている。地域社会、地元企業、市民とともにつくりあげる国際芸術祭、これからの展開にも期待したい。
東京ビエンナーレ2023 はじまり展
日時:2022年10月6日(木)~30日(日)
場所:東叡山寛永寺、東京ドームシティ、優美堂など
入場料:基本無料(関連イベントは一部を除き別途有料)
公式サイト: https://tokyobiennale.jp/

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