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障がいの有無に関係なく支え合う。明治のD&Iを推進する「縁の下の力持ち」でありたい

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岡村あいこさん

画像提供:明治

明治西日本支社の業務課に所属する岡村あいこさん。2011年にチャレンジド(障がい者)として入社して以来、さまざまな業務を通して他のメンバーが仕事をしやすい環境づくりに尽力してきた。普段の仕事と並行して従業員によるグループ活動にも積極的に参加している岡村さんが、職場環境の魅力や仕事のやりがいについて語る。

岡村あいこ(おかむら・あいこ)
2011年明治入社。西日本支社業務部所属。

約15年前に突然神経の麻痺を発症。絶望から、自分らしさを取り戻すまで

2011年3月に障がい者雇用枠で入社しました。私は左手に機能障がいがあり、手首から先を自分の意志ではほとんど動かすことができません。障がいは生まれつきではなく、後天的なものです。

今から15年ほど前のある日、起床すると左手に違和感がありました。一時的なものと考え、普段通り出勤しましたが、しっかりつかんでいるはずの受話器やファイルをなぜか落としてしまうんです。その後、わずか数日でいまの状態に。病院で検査したところ、橈骨(とうこつ)神経と呼ばれる二の腕のあたりにある神経が麻痺しているらしいことがわかりました。

手術もしましたが状況の改善は見られず、お医者さんから回復の見込みがないと告げられたときは絶望して、気力を失いました。当時習っていた楽器が弾けなくなるどころか、自分で髪を結ぶことさえできませんでした……。

ところが、人間とは長く無気力ではいられないものらしく、気持ちが切り替わるタイミングがあったんです。もしかしたら、落ち込み続ける気力がなかっただけかもしれません。急に吹っ切れた気持ちになって、そこからは、今までの自分がやらなかったことを、あえてやってみようと思い、山登りなどにも挑戦をしました。

ルートの途中では岩をつかんでよじ登るような場面も。危険をともなうことも多かったのですが、「本当にできないかどうかは、やってみなければわからない」という想いが当時の私を駆り立てていました。「まずはやってみよう。できないことを知るために」と小さな挑戦を繰り返しながら、少しずつ障がいと向き合う作業というか。そうやって気持ちを立て直していったような気がします。

挑戦を後押しする環境で成長。童話に出てくる小人のような、縁の下の力持ちでありたい

オフィスで作業をする岡村さん

オフィスで作業をする岡村さん。

画像提供:明治

明治で働くようになったのは、契約が満了となって以前に勤めていた会社を退職する際、人事の方に障がい者専門の求人窓口に行くよう勧められたことがきっかけです。いわれるがままハローワークで相談したところ、最初に紹介されたのが明治でした。

募集内容も総務や庶務といった、自分に向いている職種。大企業ということで気後れする部分もありましたが、思い切ってチャレンジしてみようと応募したんです。

採用選考では、人事の労務担当、係長、管理職の面接を受けましたが、どなたもすごく明るく気さくな方だったのが印象的でした。こちらからの質問には、「そういう制度ならありますよ/それはうちにないんですよね」と丁寧に、それでいてはっきり、YESとNOを伝えてくださるなど、風通しの良さを感じ強く惹かれたのを覚えています。

幸いなことにご縁があり、臨時職員としてしばらく働いたあと、1年ほどして嘱託への転換を打診されました。障がい者雇用でもステップアップさせてくれる風土があることに驚きましたが、「責任を持って働きたい」と思っていたときだったのでふたつ返事でお受けし、現在に至っています。

2022年9月現在は業務課に勤務していて、会計業務やOA周りのサポート、庶務などが主な業務です。また、同部署内に在籍する聴覚障がいのある方の支援もしています。たとえば、営業さんからの依頼内容や手順をお伝えしたり、オーバーワークになってないか確認したりといった具合です。

入社して12年目を迎えますが、私たちチャレンジドにとっても挑戦を後押しする環境があることが、明治で長く働けている理由のひとつになっています。

たとえば、入社して2年目のころ、就労時間が長い割にアサインされる仕事量が少なかったのか、勤務中に時間を持て余していたことがあったんです。当時の上司に相談したところ、決算の補助や債権管理など、それまで経験のない幅広い業務をさせてもらいました。

また、私が所属するのはいわゆる間接部門。本来であれば、営業のように会社の売上に直接結びつく業務にあたることはありません。ところが、当時たまたま営業事務の方が休職されたのを機に、その方が担当していた営業事務をそのまま私が引き継いだこともありました。

結果的に、視野が大きく広がり、支社の営業さんたちの苦労や、会社の会計の仕組みなどを知ることができました。それ以来、さらに貢献できるようにと、以前に輪をかけて業務に励んでいます。

私がやりがいを感じるのも、そうやって縁の下の力持ちのように、目立たず知られず、皆さんを陰ながら下支えさせてもらえているところ。時折、私がお手伝いしたことで、営業さんが「良かった」という顔をされるのを目にすることがあるんです。見えないところ、見えないときにこっそり仕事をしてくれる、童話に出てくるような小人のような仕事ができていることが、私の誇りです。

日常業務を効率化し、障がいの存在を伝える。私でもできること、私だからできることを

デスクワーク中の岡村さん

デスクワーク中の岡村さん。

画像提供:明治

パソコンに入力する際、私は片手でキーボードを操作するため、両手を使うのに比べてどうしても時間がかかってしまうんです。そのため、月ごとのルーティン作業を引き受けたときは、初めにExcelで関数などを作り込み、翌月からは数値データを入力するだけで作業が終わるようにするなど、業務の効率化に取り組んでいます。初月のコストはかかりますが、遅れを取って皆さんに迷惑をかけないための、私なりの工夫です。

コミュニケーションの部分では、必要に応じて、できるだけ率直に自分の障がいの特性についてお話するようにしています。障がいのことを相手に知らせなかったため、行き違いが生じたことが過去にあったんです。私の場合、一見して障がいがあるとわかるわけではないので、自分も相手も後味のわるい思いをしないよう、ありのままを伝えることを心がけています。

逆に、「障がいがあるのかな」と気づいた方には、率直に聞いていただきたいですし、障がいがあるとわかっても、できれば気を遣うことなく接してほしいとも思っています。

たとえば、「岡村さんの手だったら、これは大丈夫? できる? 」と直球で問いかけられると、こちらも答えやすいので、すごくありがたいと感じますね。

また、荷物を運ぼうとしていたときに、「困ったときはお互いさまでしょ」と軽妙な感じで、さり気なく手伝っていただくことも。こちらがかしこまってしまうような雰囲気をつくらないように話しかけてくれたり助けてくれたりする方が多く、ありがたいと思っています。

障がい者雇用枠で入社しているのですが、さまざまな仕事に挑戦させてもらったり、皆さんからフラットに接していただいたりすることで、障がい者枠の人財というより、ひとりの人財として認めてもらっているように感じています。

有志従業員によるネットワーク活動にも参加。もっと気楽に支え合える関係の構築を目指す

山登りをする岡村さん

趣味は山登り。休日は夫と共に山登りを楽しむ。

画像提供:明治

私は、ERG(Employee Resource Group)の活動にも参加しています。これは、ダイバーシティ&インクルージョンの取り組みの一環として社内で推進されている有志従業員による会社公認のネットワークで、業務時間を利用して活動するものです。

これまで皆さんに支えてもらったおかげで、今もこうして働き、普通の生活ができていることへの感謝の気持ちを込めて、私にも支えられることがあればという想いでお手伝いしています。

いくつかあるグループのうち、私は“LGBTQ+アライ”と“チャレンジド”のふたつに参加しています。中でも、“LGBTQ+アライ”は、個人的にずっと関心があったテーマ。活動を始めた背景には、こんな自身の体験がありました。

私は結婚しているのですが、子どもがいません。ある時、同性同士の結婚を認めない裁判の記事を新聞で読んでいると、判決理由が「子孫を残せないなら、結婚制度は必要あるのか」というものだったのです。子どもがいない私も結婚する価値がないといわれている気がして、それ以来、LGBTQの問題を他人事とは思えなくなりました。

いろいろな価値観があっていいのですが、それによって誰かが生きづらくなったり、差別的な扱いを受けて肩身の狭い思いをしたりするとしたら、それは話が違います。そんな想いから、“LGBTQ+アライ”の活動に参加しました。

“チャレンジド”に関しては、私は当事者のひとり。今後もこの会社で働いていく上で勉強したいと考えてもいましたし、もしかしたら、自分の体験を誰かの役に立てられるかもしれないという想いもありました。

ERG内であっても、当事者の方がなかなか自分から発信しづらい現状があります。そこで、さまざまなツールやアイデアを駆使して、当事者の方の声を届ける仕組みづくりを検討中です。まだプランを練っている段階ですが、12月の障がい者週間に向けて取り組んでいるのがカルタの制作です。

たとえば、「話すのは、得意じゃないけど、超精密」といった具合に、障がいの特性などについて、五七調にしてアピールしていただけたらと思っています。聴覚障がいのある同僚がいるため、社内の取り組みとは別に、手話の勉強もしています。左手の自由がきかない私には表現できないこともあるのですが、できることがないわけではありません。より深いコミュニケーションを取れればと思って挑戦しています。

人は皆、ケガをすれば誰かにドアを開けてもらうことになるし、歳をとれば手を引いてもらわないと散歩もできません。つまり、誰もが支える側であり、支えられる側でもあります。だとすれば、肩の力を抜いて付き合うことができれば、互いの距離をもっと縮められるはずです。気楽に支え合える関係を作っていければいいですね。

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