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- 日本初のエコツーリズムリゾートを目指す。星野リゾートが取り組む「CSV経営」
写真提供/星野リゾート
CSV経営を通して、SDGsを推進している星野リゾート。同社が沖縄で展開する3施設で体験できる、サステナブルな旅とは? 3回にわたって紹介するシリーズ第2回は、「西表島ホテル」が目指すエコツーリズムリゾートについて。(第1回はこちら)
日本最南西端にある八重山諸島の1つで、世界自然遺産に登録されている西表島。星野リゾートが同島で展開する西表島ホテルが目指すのは、日本初となる「エコツーリズムリゾート」だ。
エコツーリズムとは、地域ぐるみで自然環境や歴史文化など、地域固有の魅力を観光客に伝えることにより、その価値や大切さが理解され、保全につながっていくことを目指す仕組みのこと。この目標に向け、西表島ホテルでは2021年春から、3つの取り組みをスタートさせた。
宿泊客を巻き込みプラスチックの廃棄量を削減へ
館内に設置されたウォーターサーバー(利用無料)。ゲストにはマイボトルの持参を推奨しており、2021年8月からはウォーターボトルのレンタルサービスを開始した。
写真提供/星野リゾート
その1つが「エコロジカルなホテル運営」だ。実行に移すための柱となるのが、ペットボトルフリーと、1WAYプラスチックフリーである。
「すでに星野リゾートグループ全体では、客室にご用意していたペットボトル入りウォーターの提供廃止に踏み切りました。当ホテルではさらなる施策として、2021年8月より、ショップや自動販売機でのペットボトル飲料の販売を取りやめることに。お客様にマイボトルの持参を推奨し、お持ちでないゲストにはレンタルボトルの貸し出しを行っています」(星野リゾート 広報・木山さん)
また、使い捨てとなる1WAYアメニティの提供も廃止。アメニティは全体の6割程度ものゲストが持参しており、以前に比べて約4割のアメニティの廃棄量を減少させることに成功した。
「ナチュラリストガイド」と協働したツアーも
「ナチュラリストガイド」と西表島の生態系を学ぶ、ネイチャーツアーを提供。
写真提供/星野リゾート
2つ目の取り組みは「島の魅力と価値を感じるネイチャーツアー」。西表島には、絶滅危惧種および国の特別天然記念物であるイリオモテヤマネコをはじめ、固有種や、その他の絶滅危惧種が多く生育・生息する。
生物多様性を誇る西表島に位置する同ホテルは、同島在住のローカルの「ナチュラリストガイド」と協働したネイチャーツアーを提供している。何気なく目にする倒木や幹の穴が、島に棲む生き物にとってはいかに重要であるかなど、島のエコシステムについて学ぶことができる。
自然との共生を模索する各種プログラム
絶滅危惧種であるイリオモテヤマネコの保護活動として、「イリオモテヤマネコの学校」を実施。
写真提供/星野リゾート
そして3つ目が「イリオモテヤマネコの保護活動」を目的としたロードキル(動物が道路上で車に轢かれる現象)防止に向けた取り組みだ。軽井沢で人とクマが共存する方法を模索し、ノウハウを蓄積させてきた専門家集団「ピッキオ」と組み、イリオモテヤマネコを含む、西表島の生物多様性の保全を目指した活動を行っている。環境省と連携して実践する、ホテルスタッフによる草刈りは、そのひとつだ。
「ゲストが正しい知識を得ることで間接的にロードキル防止に貢献できる提案として、イリオモテヤマネコや島の自然について学ぶプログラム『イリオモテヤマネコの学校』を隔日で無料開催しています。
今後は環境省や地域自治体、地元の方々とも協力しながら国立公園を利用したツアーを計画中です」(木山さん)
星野リゾートの軽井沢事業所は、2011年11月、ホテル業界初のゼロ・エミッション(運営によって生じる廃棄物の単純焼却・埋め立てのゴミゼロ・リサイクル率100%)を達成させている。これらの環境経営の知見を活かし、引き続き、西表島を舞台にしたサステナブルな旅の仕組みを構築していく。

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