画像提供:日本シグマックス
「入社当時から医療分野に携わりたかった」と話すのは、日本シグマックスに2018年に入社した瀬川裕香さん。自ら希望しウェルネス事業部へ異動し、営業職として活躍する彼女。2022年10月現在は日常生活用サポーターと、乳がん術後患者用シリコンパッドを担当。「商品の力で、お客さまの不安を少しでも取り除きたい」と話す彼女のぶれない想いに迫る。
瀬川裕香(せがわ・ゆか)
2018年に新卒で日本シグマックスに入社。入社後はスポーツケアブランド「ZAMST」の営業としてスポーツ西日本営業所に勤務し、その後社内公募制度を利用してウェルネス事業部に異動。現在は日常生活者向けサポーターブランド「MEDIAID」と、乳がん手術経験者向け術後補正パッドおよび下着ブランド「amoena」の市場開発を担当。
入社後はスポーツ事業部に配属。得た経験を後に活かす
現在入社5年目の瀬川さん。 ウェルネス事業部で2つのブランドを担当。
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ウェルネス事業部で営業職として働く瀬川さん。現在は、分野が異なる2つのブランドを担当している。
「ひとつめは、『MEDIAID(メディエイド)』というサポーター・ケア製品のブランドです。主にドラッグストアのバイヤーに商品を紹介し、店頭で取り扱ってもらえるよう交渉するのが私の仕事です。所属するウェルネス営業課としては全国のドラッグストアを扱っていますが、私が担当しているのは特に東北エリア。商品をどうやって販売していくか、どんなラインナップで展開するかなどの企画を提案することもよくあります。
そしてふたつめは、まったく違う分野になるのですが、乳がん手術の経験者の方に使っていただく、術後の補正パッド『amoena(アモエナ)』を紹介する仕事です。下着メーカーのワコール様に主に取り扱っていただいている商品なので、ワコール様との商談がメインの業務です。こちらについては、私と先輩社員の2名体制で、全国を担当しています」
担当業務のボリュームは、「MEDIAID」の仕事が7~8割。残りの2~3割が「amoena」に関わる仕事だ。
ウェルネス事業部に異動してきて、現在ちょうど1年半ほどが経過。以前は、スポーツ事業部の営業課に所属しており、「ZAMST(ザムスト)」というスポーツサポーターのブランドを担当してきた。
「『ZAMST』はスポーツ用品店で扱われている商品です。私は営業としてスポーツ用品店の店頭に行って商談をしたり、店頭での展開方法について提案したりしていました。3年ほど勤務し、ある程度さまざまな経験をさせてもらったこともあり、自ら新たなステージへの異動希望を出すことにしました。
実は、医療に関わる業務を担当してみたいという気持ちが入社当時からあったんです。入社してから、その関心がより一層高まっていたので、機会を逃したくないと思いました。とくに『amoena』に興味がありました。乳がんは女性特有の病気ですし、実際に私の身近な人が罹患したこともあって、当事者性をもってとらえている病気でもありました。そのため、自分に何かできることがあればと思い、希望を出しました」
就職活動時の軸は「大学で学んだ知識を活かしながら、社会貢献ができること」
大学ではスポーツ科学を学び体育教師を目指していた瀬川さん。
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医療分野に興味が強いと語る瀬川さん。大学ではスポーツ科学部に所属し、スポーツ医療について知見を深めたが、当時はそこまで医療への関心が深かったわけではないと言う。
「もともと私は体育教師になりたかったんです。自分も長らく競技者だったため、昔からスポーツが好きだったので、スポーツ系の学部に進学を決めました。しかし実際に教育実習をしてみると、いきなり先生になるより、まずは社会に出た方がいいのではないかと感じたのです。
そこで、大学で4年間学んだ知識を活かせて、かつ社会貢献ができる仕事を探すことにしました。当社のほかには、製薬会社も検討していました」
就職活動の結果、縁あってシグマックスに入社を決めた瀬川さん。入社後の配属は、希望していた医療事業部ではなくスポーツ事業部だったが、それを担当したからこそ得られた経験もあった。
「スポーツブランド(ZAMST)を担当していると、実際に店頭に立って販売活動をする機会が多くあります。つまり、お客さまと直接会話する機会もあるわけです。
ある日、インソールを店頭で販売していたときのこと。年配のお客さまがいらして『元気なうちに家族で山に登りたい』とおっしゃるんです。しかしその方は膝が悪いため、家族に迷惑をかけてしまうかもしれないと心配されていました。
私は、当社のインソールを使って膝への負担を軽減することを提案しました。その場で靴に入れて試していただくと、お客さまからとても快適で膝が楽になり、これなら登山も楽しめそうなど、嬉しい言葉をたくさんいただけたんです。インソールひとつで、お客さまのできることがこんなに広がることもあるんだ、と気づかされた経験でした」
自社のアイテムを、ものすごく頼りにしてくれたり、重要に思ってくれたりするお客さまがいる。そのことを、瀬川さんは現場で直に感じている。
「人って、大なり小なりなにかしらの不安を抱えていて、悩み苦しんでいるものだと思います。でも、悩みがひとつ解決されると、ものすごく気持ちが楽になるケースも多いはず。
たとえば、薬を飲むなどポジティブな行動をしたことで症状が楽になったと感じることもありますよね。それと同じように、当社の製品も、場合によっては、何か大きな不安材料を取り除くきっかけになれるんだ、と思うようになったのです」
今も瀬川さんは「お客さまに商品について知ってほしい」という強い気持ちを持っている。それはほんのささいな影響であっても、自社の製品が悩んでいるお客さまにとっての救世主になることがあると、経験を通して実感することができたから。
医療分野ならではの難しさ。これまでにない頭の使い方に奮闘
スポーツ、ウェルネスと異なる業界を経験した瀬川さん。 現在も医療という新しい分野で学びの日々。
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ウェルネス事業部に異動した今、瀬川さんは、自分自身の変化を感じている。
「スポーツ事業部では入社間もないということもあり、まずは先輩に教わった内容を忠実に取引先の店舗の方に伝えることが自分の役割と考えていたように思います。 ですが、その方法では自分の言葉で伝えているわけではないので、頭で理解しているつもりでも実際に店舗スタッフの方に説明しようとすると、うまくいかないんです。つまり、わかっているのとできるのとは違う。スポーツ事業部にいた3年間は、ずっとそのことを痛感していました。
ウェルネス事業部に来てみて、ようやく自分の考えで提案ができるようになった自覚があります。それまでは先輩が企画した施策を自分の担当先にもうまく落とし込んでいくことを重視していましたが、異動してからは自ら企画し提案することが増え(求められ)、このお得意先ならこういう提案の仕方がいいかもなど、施策一つひとつに対して深い部分まで考えられるようになりました」
スポーツ事業部時代には追いつくことができなかった、先輩たちの仕事のやり方。それを今、瀬川さんは自分の考え・言葉を使いながら実行できるようになってきた実感がある。
ただし乳がん手術経験者の方々に提供している「amoena」に関しては、瀬川さんにとって初めて医療機関や医療従事者と直に接することも多い仕事。スポーツ・ウェルネスどちらの事業でも経験してこなかった特有の難しさがあり、日々奮闘している。
「『amoena』は、主な取り扱い企業であるワコール様からお客さまに販売していただいている以外に、病院でお医者様から直接手術後の患者様に紹介していただくケースもあります。
そのため『amoena』の仕事では、看護師の方に説明するなど、さまざまなやりとりを直接する機会もあります。自分よりも専門的でより高い医学知識を持たれている方とお話をするのは、やはり緊張しますね。今はコロナ禍もあって、医療機関に訪問して直接面会することが難しい状況ではありますが、メールを駆使しながらコミュニケーションをとっています」
加えて、「amoena」は、乳がん手術を経験されたお客さまが日々身に着けて使用する商品。選んでもらうための商品の説明や訴求の仕方が、通常の商品とは根本的に異なるという難しさもある。
「乳がんという病に関わる商品であり、お客さまの気持ちに寄り添いながら紹介させていただくことが大切だと思っています。企業なのでもちろん事業は成長させたいですが、安易に『販売を強化しましょう』とも言えませんし、『ZAMST』や『MEDIAID』のように、有名選手や著名人とコラボレーションして広告宣伝や販売促進をするようなものでもないのです。
まず第一に、手術経験者の方々がより快適に過ごせることを目的とした商品ですので、最終的には当社の製品をご使用いただきたいですが、注意を払って言葉を選びながら会話しています。今まで自分が扱ってきたスポーツやウェルネスの商品とはまるで違うと感じながら、先輩とともに日々試行錯誤しながら頑張っています」
多くのお客さまに、商品を知ってもらって、ファンになってもらいたい
商品が、お客さまの悩みを取り除く。そう信じているからこそ、瀬川さんは、悩んでいるお客さまが商品と出会えるよう、情報発信にも力を入れたいと考えている。
「ウェルネスブランドの『MEDIAID』は、現在広告活動を積極的に行っていますが、まだまだ『ZAMST』ほどの知名度はありません。もっと多くの人に知っていただけるようにしたいです。これは『amoena』についても同様です。
乳がん用の術後パッドは、海外では購入費用を保険でカバーできる国もあります。そうした国では多くの人が術後パッドを使用していて、2〜3年も使用すれば消耗するので買い換えて使い続けるという文化が確立されている国もあります。でも日本ではまだそこまで浸透していないし、そもそもパッドがどのように役立つのか? いまひとつ伝えきれていないように思うんです。
だから、まずはこういう商品があるということを多くの方に知っていただきたいですし、そこから『amoena』のファンになっていただけるお客様を増やしていきたいですね」
最近では、「amoena」のオンライン販売の業務にも加わった。日々身に着けてもらう商品のため、身体に合うかどうかが非常に重要。そのため、オンラインで購入するお客さまには、まずサイズ確認のために2サイズ分のサンプルを送り、自分に合うサイズをしっかり確認してもらうという。
コロナ禍が続く中で、医療機関への直接のアプローチも制限されている今、どうやってお客さまに商品の良さを知ってもらうか、頭をひねる毎日だ。
「今後は、SNSでの発信にも力を入れていけたらと考え、チーム内でも意見交換をしています。乳がんによる治療・手術を経験された方々はInstagramなどのSNSでつながり、コミュニティを作って情報交換をされています。そのような、情報交換の輪にもお伺いしながら、何か有益な情報提供ができたらなと思い描いているところです。
そしてなにより、お客さまの声をもっともっと伺いたいです。今は主に、ワコール様や看護師の皆様を通してお客さまの声をお聞きしている形なので、当社が直接お客さまと関わる機会がまだまだ少ないのです。
オンラインでご購入いただいたお客さまにレビューを通じて感想やご意見をいただくなどの工夫はもっとできると思っています。そうして、お客さまのリアルな声をヒアリングしたいなと思っています。もちろん、その声は商品やサービスにも積極的に反映していきたいです」
お客さま目線に立ち、より良い商品・サービスを目指す。そのエネルギーの源にあるのはやはり「一人ひとりの不安を少しでも取り除きたい」という想い。
「当社の商品を、本当に大事なものだと思ってくださっているお客さまがいる。その事実を常に忘れずに、これからも商品を大切に扱っていきたいです」
瀬川さんが入社以来ぶれずに持ち続けている想いが、これからもユーザーの悩みに届き、少しでも役立つことを願うばかりだ。
画像提供/日本シグマックス
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