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CONFERENCE:MASHING UP vol.6

「学び」と「働く」の循環はどうつくる? 人と企業を成長に導く新たな採用のかたち

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画像/MASHING UP

2016年に経済産業省が発表した「IT人材需給に関する調査」によると、2030年にはデジタル人材が最大79万人不足するという。多くの企業がデジタル人材獲得について課題を抱える一方で、デジタルスキルの習得を希望するものの、時間や費用不足のために諦めざるを得ない人は少なくない。

社会のDXが急速に進むなか、企業はいかにデジタル人材を獲得、育成すべきか。そのヒントを、革新的な採用方法「ワークラーン採用」を手掛けるDAS取締役CCOの芹沢美稀さんに聞いた。

リスキリング×実務経験=ワークラーン採用

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(左から)&Co. 代表取締役の横石崇さん、DAS取締役CCOの芹沢美稀さん、morich代表取締役の森本千賀子さん。

撮影/中山実華

ワークラーン採用とは、企業が志望者に「働きながら(給与を得ながら)学べる環境」を提供するという、新しい採用のあり方

未経験だがポテンシャルのある人材に、学ぶ機会(時間・費用)と、習得したスキルを活かせる仕事を提供。実践(Work)と学び(Learn)を繰り返しながらスキルを高め、デジタル人材としての採用をサポートするというものだ。

このサービスを手掛けるのが、早くからデジタル人材育成に目を向け、“ポテンシャル人材”にリスキリングを含む教育機会や実務経験を提供してきたリーディングカンパニーDASだ。リスキリングの学習プログラムとして、世界で月間300万人が利用するフランス発の最先端DX人材育成プラットフォーム「OpenClassrooms」を用い、デジタル人材の育成を行ってきた実績を持つ。

2022年11月、DASが取り組みを開始したワークラーン採用。これは、今企業に必要なデジタル人材の育成と採用をサポートする取り組みだ。

芹沢さんは、2022年11月開催のMASHING UP CONFERENCE vol.6でのトークセッション「『学びながら働く』を実現する新しい採用のかたち」に、morich代表取締役の森本千賀子さん、&Co. 代表取締役 横石崇さんとともに登壇。リスキリングというキーワードを軸に、企業が成長を続けるうえで必要な採用における視点、また社員が自律的に自らのキャリアを構築するために求められるマインドセットについて、ディスカッションを繰り広げた。

リスキリングを後押しする2つの流れ。一方で課題も

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DAS 取締役CCOの芹沢美稀さん。DASは様々なグローバルの先端デジタルテクノロジー企業の、JAPAC進出支援のサポートを行う。OpenClassroomsもそのひとつだ。

撮影/中山実華

まず議論されたのは、なぜ今、リスキリングがこれほど大きな注目を集めているのかということ。セッションの中で、森本さんは2つの流れを挙げた。

1つ目は、リスキリングを通して労働力を確保していこうという大きな流れ。2030年には日本は超高齢化社会による深刻な労働者不足が懸念される。労働力確保のため、異なる業種、職種などの間で働き手が移動する「労働移動」に目が向けられているが、リスキリングで新しいスキルを習得することが、その労働移動を促進すると考えられているのだ。

2つ目は、リスキリングで、働き方改革に必須のDXを推進しようという流れだ。現在、多くの企業が働き方改革を進めるうえで、取り組みの中核に据えているのがDX。しかし、いざ様々なデジタルツールを導入しようとしても使いこなせる人がいないといい、DX人材の不足が顕著になっている。そのため、企業のスタンスは、リスキリングでDX人材を育成しようというものに変わってきているという。

続いて森本さんは、企業がリスキリングを導入する際の課題もあげた。

どうすればリスキリングできるのかという〝HOW″ばかりで、なぜやるのか、それによってどのような企業になりたいのかという大事な〝PURPOSE″が抜けている。リスキリングは目的ではなく、組織成長のための手段なのです」(森本さん)

多くの企業が明確なゴールを持たないまま、リスキリングを行っているケースが散見される。芹沢さんは、「会社として足りない部分を明確にし、それを人材育成の戦略に落とし込むことが必要です」と語るとともに、「多くの日本企業が、人材への投資を“コスト”として捉えている」という問題にも言及。

「教育によって将来的に企業にリターンをもたらす人材へと成長させることが、“投資”としての人材育成。ですが残念ながら、日本はアジアの中でも、学びに対する投資が一番低い。人材への投資を“コスト”として捉えてしまっていることの表われでしょう。『この会社では成長する機会がないから』という理由で退職する人も多いと聞きます。それは非常にもったいないこと。企業が提供すべきは、成長機会なのです」(芹沢さん)

人と企業の成長には、「学ぶ文化の醸成」が必要不可欠

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ポテンシャルのある人材に、スキルを習得する機会と、そのスキルを活かせる企業の仕事を提供する。実践(Work)と学び(Learn)を繰り返しながらスキルを高め、マッチする企業への採用をサポートするというものだ。企業にとっては、自社に合った人材の育成・試用期間を設けることができ、採用の確度を高めることができる。

画像提供/DAS

これらリスキリングにまつわる課題をクリアするのが、ワークラーン採用だ。リスキングを人材と企業の成長につなげるには、そのメリットを実感することが大切だと芹沢さんは語る

「ワークラーン採用は、成長意欲のある人に対して学びと仕事の機会を提供し人材育成を行うため、継続的な人材確保が可能。また、従来の採用方法では新入社員への教育が必要ですが、社内ではなかなかリソースが割けないという声も。しかし私たちがOJT/Off-JTを実施することで、既存社員の負担を大幅に軽減できるという側面があります。また、ある一定期間の試用期間を設けることで、会社のカルチャーにフィットするのか、双方が見極めることができる。従来の採用方法が持つリスクを、大きく低減できるのです」(芹沢さん)

そのためには、社内に「学ぶ文化」を醸成することが重要だと強調する。ワークラーン採用では、勤務時間のうち数時間を学びの時間に充てる。しかし、メンバーシップ型雇用をベースにした集団での社内研修やジョブローテーション、上司による指導などを教育プログラムとしてきた日本では、勤務時間中に学ぶことへの理解を得るのが難しいという懸念も。まずは経営層やマネジメント層が学ぶことの重要性を理解し、社員に学習を促すことが、学びを生む文化の醸成につながるのではないか。

では、そのために企業はどのようなアクションが必要なのだろう。

人材への投資が企業の成長につながるという認識を高めていく必要があると思います。老子の格言で『飢えている人に、魚を与えるか、魚の釣り方を教えるか(授人以魚 不如授人以漁)』という言葉※があります。企業が人材への投資を考える時、そんな視点も大事なのではないでしょうか」(芹沢さん)

※魚を与えるのは簡単だけれど一日で食べてしまう。でも釣り方を教えれば、一生食べていけるというという考え。

自律的なキャリア構築・成長に必要なのは、周りの理解と個人のパッション

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撮影/中山実華

トークセッションでも、得たスキルをいかに業務の中で活かすかが議論に上がった。個人がそのスキルを実践に活かすために重要な視点について、芹沢さんは語る。

自分がどのようなキャリアを描きたいかを定期的に見つめなおし、そこから逆算して必要なスキルを身に付けることが必要だと思っています」

実は芹沢さん自身、これまでのキャリアの中でそれを経験してきたという。芹沢さんは大学卒業後、ハウスメーカーに就職。大学在学中に宅地建物取引主任者の資格を取得したが、結局一度も得た知識を使う機会がないまま退職。「もっと深く自分のキャリアと向き合うべきだった」と悔やんだのだという。

その後、2007年にデジタルマーケティングの世界に転身。自身が「武器はパッション」と語る通り、業界未経験ながらもどんどんと成長機会を掴んでいった。

「恵まれたのは『未経験だから、初めからできなくても仕方がない』とメンバー全員が理解し、支えるカルチャーがあったこと。様々な仕事を任され、成長機会をたくさん与えてもらいました。

必然的に新しい知識やスキルの習得が必要になるので、自ら学ぶようにもなります。周囲がインプットとアウトプットを循環させようと促す。そんな組織文化がある企業は強いと改めて感じます。人と企業の成長において必要なのは、周りの理解と個人のパッションだとも言えますね」(芹沢さん)

個人も企業もアップデートし続けられる社会を目指して

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「いつでも打席に立てる準備をしておかないと、いざ自分の番が来た時に打席に立てない。だからいつでも準備をしておくことが大切ではないでしょうか」と、芹沢さん。日頃から自分をアップデートしておくことの大切さを語った。

撮影/中山実華

ワークラーン採用という革新的な取り組みを通して、実現させたい社会の姿についても聞いた。

「私自身のキャリアも振り返って思うのは、成長機会は運もある。でも、その運はずっと打席に立ち続けているからこそ掴めるもの。リスキリングも同じで、学び続けて自分をアップデートしていくことでチャンスは広がっていくのです。

個人も、企業も、アップデートし続けることが重要。リスキリングと実務経験を掛け合わせたワークラーン採用を活用して学び続けていただき、個人も企業もアップデートし続ける社会をつくっていきたい。壮大な目標ですが、それは国力を上げることにもつながると信じていますし、その結果日本を元気にできれば」(芹沢さん)

ビジネスパーソンと企業、双方に成長をもたらすワークラーン採用。それこそが、社会を飛躍させるブレイクスルーになるのではないだろうか。

3名のスピーカーの集合写真

撮影/中山実華

MASHING UP CONFERENCE vol.6

「学びながら働く」を実現する新しい採用のかたち

芹沢 美稀(DAS取締役CCO)、森本 千賀子(morich代表取締役)、横石 崇(&Co. 代表取締役)

DAS

執筆/上妻靖子

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