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未来の“はたらく”をつくる。Web3時代を見据え、人材業として取り組むべきこと

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画像提供:パーソルイノベーション

既存事業の推進・検証を行うかたわら、新規事業創出プログラムの運営を担当し、Web3時代の到来を見据えた未来の“はたらく”の創出・検証に携わるパーソルイノベーション吉野壮文さん。R&D統括部インキュベーション推進部長も務める彼が、パーソルイノベーションが他社に先駆けWeb3の領域に出資した背景、事業への想い、展望を語る。

吉野 壮文(よしの まさふみ)
2009年にアクセンチュア入社。新興企業から官公庁まで、マーケティングや営業戦略、グループガバナンス、組織戦略策定および実行支援など、多岐に渡るテーマのプロジェクトを経験。2015年に経営共創基盤(IGPI)に入社し、メディアやIT・人材・ヘルスケア・金融×Tech領域で、新規事業の立ち上げや既存事業の収益性向上に向けた計画策定・実行、事業マネジメントの仕組みづくりなどのプロジェクトを経験。2020年4月にパーソルイノベーションにジョインし、SolutionSBUの立ち上げから2年間、経営企画部長としてSBU全体の経営企画、社外広報・インナーコミュニケーション、管理・会計・ファイナンス機能を担当。2022年4月より、R&D統括部インキュベーション推進部長として、事業の推進・検証、新規事業プログラムDritの運営を担当。

可能性は未知数。未来のメインプレーヤーとなるため黎明期の今こそWeb3の領域へ

「Web2、すなわちGAFAのような特定のプラットフォーマーに依存した中央集権的なネットワーク上で起きている問題を解決できる大きなメリットがあると言われているものの、企業や個人にとって目に見える具体的なメリットや提供価値はまだまだ不透明だというのが、今Web3の領域で動いてる人の共通認識だと思います。

NFTアートに億単位の値段が付いたかと思えば翌日に大暴落するなど、投機目的で人が集まっている印象があり、これまでにない価値を提供しようという本質的なビジネスが生まれるには至っていません」

そんな中、Web3スタートアップ支援に特化したシードアクセラレーターへの出資を発表するなど、同業他社に先駆ける動きを見せているパーソルイノベーション。そうしたアライアンスを含む一連の取り組みの旗振り役を務める吉野さんは、Web3の領域で新たなビジネスを構想する根本的な考えについて、こう話す。

「Web3の領域では仕事やはたらき方が具体的にどんなかたちになるのか、正直なところわれわれも検討を深めている最中にはなりますが、今リアルな世界で行われていることが、バーチャルの世界でも実現可能なのではないかと現時点では考えています。メタバース(3次元の仮想空間)を例に挙げると、リアルな世界でいう職務履歴書のような、スキルの証明書のようなものがNFTとして流通し、それをもとに仕事がアサインされていくイメージです。

バーチャルな空間ではたらいたり、リアルな人間関係とは切り離された世界ではたらくことが当たり前になっていく中で、Web3の技術や考え方、ユースケースが『はたらく』を実現するキーパーツになってくるのではないかというのが、われわれの基本的なコンセプトです。

たとえば、複数のSNSアカウントを持ち『こちらは仕事用』『こちらは趣味用』と運用すると、それぞれ認知のされ方も人間関係も変わってきますよね。それと似た形で、複数のアバターを使い分けながら、それぞれのアバターが別々の人格として扱われながら、それぞれ異なる仕事をしているような世界を想像するとわかりやすいかもしれません」

先行きが見通せない夜明け前の今だからこそ、Web3の領域に参入する意義があると話す吉野さん。パーソルイノベーションとして同事業を推進するに至った理由について、次のように述べる。

「IT分野を中心にリサーチ・助言を行うガートナー社によると、テクノロジーのライフサイクルには、黎明期・“過度な期待”のピーク期・幻滅期・啓発期・生産性の安定期という5つの重要なフェーズがあります。技術革新が起きると、実用化の可能性や提供価値が明らかにされないまま大きな注目が集まり、周囲の期待値が急激に上昇。その後、目に見えて成果が出ないことで関心が薄れますが、便益をもたらす具体的な事例が増え始めると理解が広まり、やがて技術の適用範囲が広がって安定した生産性が実現されるというものです。

このサイクルでいうと、Web3は今まさに“過度な期待”のピーク期を迎えています。3年後には幻滅期を抜けて啓発期に入ると予測していますが、その時点でわれわれが主要なプレーヤーでいたいと考えているんです。新しい市場を先取りし、市場の先頭にたって新しい価値を実現することで、“はたらく”のあり方を少しでも良いものに変えていく。それを確実に実現するために、今のタイミングからWeb3の領域でケイパビリティの蓄積を進めていく必要があると考えています」

10年先の未来を見据えながら、ビジネスの種を蒔いていく

フルリモートですが、時に会社で生産性高く仕事をすることも

南青山本社で仕事をする吉野さん。基本はフルリモートだが、時に会社で生産性高く仕事をすることも。

画像提供:パーソルイノベーション

R&D統括部インキュベーション推進部長を務める吉野さん。公募型の新規事業創出プログラム“Drit”の運営をはじめ、グループ内の新規事業を全体的にコントロールしながら、事業ポートフォリオをつくり、推進していくことがミッションだ。

「Dritをきっかけにまったく新しい事業を立ち上げることもあれば、事前にある程度方向性を決めた上で事業戦略を考え、新たな領域に参入していくことも。パーソルイノベーションでは、さまざまなボールを手にしながら並行的に事業創出に取り組んでいます。

事業計画としても、5年ほどのスパンで利益を出すことを目標にしているケースもあれば、7~8年先、場合によっては10年先を見据えながら種を蒔いていくこともあります。短期的なものと中長期的なものがあるとすると、Web3関連事業は後者。ビジネスとして成立するのに2~3年、大きく飛躍するには7~8年の時間がかかる想定で取り組んでいる領域です」

従来のビジネスを変えていくような先進的なユースケースをWeb3の領域で生み出していくためには、カスタマーの属性が変化することが大前提だという吉野さん。Web3関連事業の課題について次のように続ける。

「Web3の領域でサービスを利用するためには、ブロックチェーンのウォレットを持つ必要がありますが、現時点でウォレットを保有している人のほとんどは投機的な目的で仮想通貨の取引をしている人たち。言い換えれば、手に入れたトークンを、値段が上がったタイミングで売り抜いて利益を手にしようとしている人が中心で、そこで日々の糧を得ようとしている人はほぼ皆無といった状況です。

Web3の領域で一般的なビジネスが登場するためには、そこでリアルの世界と同じように、普通に仕事をし、娯楽を楽しもうと考える人たちが増えていくことが欠かせません。たとえば、人材サービスを提供するマッチングビジネスといった一般的なサービスを利用する人が集まらないことには、何も始まらないと思っています」

アリーバ社への出資とV声優事務所の事業譲受。新しい“はたらく”の創出に向けて

Web3の領域における“はたらく”を検証したいと吉野さんは語る。

2022年10月、パーソルイノベーションはVTuber声優プロダクション“ぼいそーれ”の運営会社を吸収合併。Web3の領域における“はたらく”を検証したいと吉野さんは語る。

画像提供:パーソルイノベーション

2022年9月、パーソルイノベーションは、アリーバスタジオ社への出資を発表。その背景について、吉野さんはこう説明する。

「彼らは、シンガポールと東京を拠点とするWeb3起業家支援に特化したシードアクセラレーターで、これまで資金供給と事業構築の両面で数多くのWeb3スタートアップを支援しています。われわれが出資した目的は大きくふたつ。

ひとつ目として、Web3の領域での豊富な事業の立ち上げ・グロース経験を持つ同社への出資をきっかけに、同社が支援してきた世界中のWeb3スタートアップに関する情報を収集し、新たなアライアンスやM&Aにつなげていくことが期待されています。

ふたつ目の出資目的は、Web3領域の最先端の知見を備える彼らの力を借りて、マーケットトレンドへの理解を深め、われわれ自身の新しいビジネスの創出へと結びつけていくこと。近年、ブロックチェーンに基づく組織や企業の形態のひとつとして、分散型自律組織(以後、DAO)が注目を集めていますが、DAOには中央集権的な管理者がおらず、重要な意思決定はガバナンストークン(決定権を持ったトークン)によってなされます。

こうした今までにない要素をビジネスに取り込み、事業としてコントロールしていくためには、どんなエコノミクスなのか、またどんなルールが必要なのかをきちんと理解しておかなくてはなりません。

アリーバスタジオ社には、NFT/ブロックチェーンゲーム専業開発会社の最大手であるdouble jumpの日本法人にいた方などが在籍していて、将来的にWeb3ビジネスモデルを立ち上げていく上で、とても頼もしい存在だと感じています」

また、同年10月、パーソルイノベーションはVTuber声優プロダクション“ぼいそーれ”の運営会社を吸収合併。次世代の“はたらく”を検証する取り組みを始めている。

「“ぼいそーれ”は、アバターを使用したVTuberが声優としてデビューし、声優業界で活躍する“V声優”となることをコンセプトにしたVTuberプロダクションです。

吸収合併に至った理由は、こちらもふたつあります。ひとつ目はバーチャル空間において別人格を持ちながら経済圏を形成するVTuberの存在が、Web3の領域における“はたらく”を検証するための手がかりになると感じたからです。その運営事業を引き継ぐことで、ほかの職種にも事業を展開していくことを想定しています。

ふたつ目は、人材ビジネスの観点から声優の市場にポテンシャルを感じていること。人材ビジネスの存在意義は、仕事と求職者の需給の不均衡を解消することにあると考えていますが、その不均衡が極端に大きいのがまさに声優業界なのです。

一説によると、約30万人が声優を志望しているのに対し、実際に声優として生計を立てている人は約300人。1000人に1人しか仕事を得ていないのが現状です。そんな中、自分の声とキャラで活躍できるV声優の市場を育てていくことは、そうした不均衡の解消につながるはず。この市場に参入することは、総合人材サービスを手がける企業グループとしての責務だと考えています」

新規事業創出に特化したエキスパートとして、次世代を担う事業を生み出す

Web3関連の事業について、2022年11月現在は検証段階で未知の部分が多いという吉野さん。今後の展開についてこう続ける。

「われわれは人材サービスを母体としているので、Web3の中で仕事の流通をいかに作っていくか、どうやってその事業者になっていくか、が定石の参入手段。一般的にワーキングDAOと呼ばれる領域で、すでにいくつかサービスも登場していますが、『成功している』と言えるものは出てきていない認識です。いずれ当社がそこを担えるように、アリーバスタジオ社をはじめとする出資先とのアライアンスの中で学びを深めながら、やりようを探っていくことが目下の課題です。

あるいは、隣接するメタバースの領域も含めバーチャル空間のほうに振り切って、VTuberのような新しい職種、新しいはたらき方を掘り下げていくという展開も、可能性として十分にあると考えています」

いずれにしても、Web3事業を推進していく上で欠かせないのが、有望企業とのアライアンス。同領域に取り組むスタートアップに向けて、伝えたいことがあるという吉野さん。

「現代は、“はたらく”に関わることが変容している時代です。人生100年時代における新しいはたらき方、雇用の在り方を提案し、DXを使って未来のパーソルを創っていくことがわれわれのミッションだと思っています。驚かれるのですが、テック系の会社という認知もとれているんです。

それだけに当社は、独自の意思決定機構を持ち、新しい事業を本気でつくろうとしている専門部隊がいる会社だと、知っていただきたいと思っています。

そして、Web3領域の豊富な知見や経験を持った企業とともに取り組みたいのは、リアルな世界で言うところの職歴書やキャリア履歴のように、“人と仕事を結びつける”ためのやり方を確立させること。それはリアルとは全くの別物になるのだろうなと予想していますが、われわれが生み出し、未来の“はたらく”を創出していきたいですね」

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