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- 「ビジネスは社会や次世代に贈るギフト」。ゼブラ企業が目指す社会の姿とは
画像/MASHING UP
2013年にシリコンバレーのベンチャーキャピタリストがつくった「ユニコーン(評価額が1,000億円を超える未上場企業)」という言葉は、短期・独占・株主至上主義といった現在の資本主義のあり方を象徴している。こうした風潮へのカウンターパートとして生まれた「ゼブラ」という概念をご存知だろうか。「ゼブラ企業」は、黒でもあり白でもある。つまり、利益を上げることができ、同時に社会課題の解決にも貢献できるというビジネスのあり方だ。
2022年11月11日に開催されたMASHING UP CONFERENCE vol.6では、「New system loop:新しい世界の潮流」をテーマに、Zebras Unite Co-Founder & Managing Directorのマーラ・ゼペダさんが、キーノートスピーチを行った。経済的成功に加え、事業成長を通じてより良い社会をつくることを目的としているゼブラ企業の姿、またこれからのビジネスが実現すべき社会のあり方とは。
異なるメンバー同士でお互いを補いあう
マーラさんは、2017年にバックグラウンドの異なる3人の創始者とZebras Uniteを立ち上げ、世界各国の様々な文化圏から集まるメンバーと共に、国際的な活動を行ってきた。
「4人が集まることで、それぞれの違いを補っている。それぞれ貢献できることがあるからこそ、一緒に活動を立ち上げることができた。相互に助け合う関係が生まれ、『人として協力しあうことができる』力の大きさを実感した」とスピーチで語るマーラさんは、「いかに皆でクリエイティブになれるか」という思いで各国のチャプターと連携し、現地のコミュニティに根差すビジネスを手がけてきた。
「ユニコーンが壊したものをゼブラが修復する」
Zebras Unite Co-Founder & Managing Directorのマーラ・ゼペダさん。
画像/MASHING UP
「企業のビジネスモデルは様々な影響の連鎖を引き起こすきっかけだ」と語るマーラさん。ビジネスモデルとは企業が社会に発信するメッセージであると言える。そこから企業文化や信念、ユーザー体験、そして最終的には社会の形そのものへと流れ込むからだ。
ここでマーラさんは、ユニコーン企業とゼブラ企業の違いについて指摘し、さらにゼブラの活動をより拡大する上必要な視点について解説した。
「ゼブラ企業の取り組みに必要となるのは、皆で協力し、信じ合い、恐れず立ち向かうこと。怖いと感じるかもしれないけれど、私たちは自分たちのビジネスにおいても、自分たちが望むことや与えたい影響について誠実でいたいのです。もし世界中で私たちが協力し、互いの架け橋になることができれば、この運動はとても楽しいものになるはずです」
また、スピーチの中ではZebras Unite東京チャプターの存在にも触れ、「100年以上の歴史を持つ企業や、日本文化から多くを学ぶことができることに感謝している」と述べた。
(左から)MASHING UP編集長の遠藤祐子、SDGインパクトジャパン 代表取締役の小木曽麻里さん。
撮影/TAWARA(magNese)
ビジネスは社会や将来世代に対する「ギフト」
マーラさんのキーノートスピーチ後、会場ではSDGインパクトジャパン 代表取締役の小木曽麻里さんとMASHING UPの遠藤祐子が感想を語った。
「スピーチの中で語られていた、貨幣を“ギフト”と捉える考え方が素敵ですね」と述べる小木曽さんは、「企業がビジネスを“ギフト”であるという意識を持つと、ビジネスの進め方や周囲の巻き込み方も変わってきそうですよね」と感想を語った。
今後企業がこの“ギフト”という視点を持つことで、利益の創出に加え、社会やあるいは次世代によりポジティブなインパクトが与えられるのではないだろうか。
さらに小木曽さんは、昨今加速しているインクルーシブキャピタリズムやステークホルダー資本主義の流れについて触れ、これからの社会やビジネスの動向に込める期待の中、セッションは幕を閉じた。

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