今秋、初めてシドニーで開催された、カルチャー&テクノロジーの祭典「SXSW Sydney 2023」。
リーダーに必要な「柔軟性」。反映されるべき2つの要素は働き方と…
そのなかのセッション「UNPACKING OUR RELATIONSHIP WITH WORK(仕事とわたしたちの関係を明らかにする)」で強調されていた要素に「柔軟性」と「新しいリーダーシップ」がある。
「UNPACKING OUR RELATIONSHIP WITH WORK(仕事とわたしたちの関係を明らかにする)」左から、SHE LOVES TECH の共同創業者で心理学者のリアン・ロバース氏、HPニュージーランドのカントリー・マネージャー、オリバー・ヒル氏。
セッションに登壇したのは、HPニュージーランドのカントリー・マネージャー、オリバー・ヒル氏と、SHE LOVES TECHの共同創業者で心理学者のリアン・ロバース氏。
パンデミックを境に私たちの暮らしや働き方がすっかり変わったのはご承知のとおり。
HPは働く環境に関する大規模調査を行ない、環境と人々の働き方、感情の変化を調査し、結果に基づく「HPワークリレーションシップ・インデックス」を公開。
これにより働き方の変化のみならず、人々が今日の仕事と自分自身の関わりや、仕事に求めるものについてどのように感じているかが明らかになった。
働き手が「仕事との関係が悪い」と感じているときは生産性もダウンする
HPワークリレーションシップ・インデックスより。「幸福に働けるなら、収入ダウンも厭わない」という人が80%もいることがわかった。
ここで示されたデータによると、「自分と仕事との関係が健康的」だと答えた知的労働者はわずか27%。なかでも日本はわずか5%と最も低い値だ。また、57%の人々が、「今が仕事との関係を再定義する時期」だと考えている。
また、仕事と自分の関係が思うようにいかないときは、仕事へのエンゲージメントが下がり、職場定着率、生産性が低下するというデータも。
このような背景を受けて、重要視されているのが「働く環境におけるウェルビーイング」だというわけだ。
これからのリーダーに必要なのは「弱さ」「対話」そしてセルフケア!?
HPニュージーランドのカントリー・マネージャー、オリバー・ヒル氏は、自らも趣味や余暇の時間を大切にするようになったと言う。
注目すべきは、この状況において求められるリーダー像はこれまでとは異なるということ。
これからのリーダーがチームを率いる際に重要となる要素は、フルフィルメント(仕事における意義や目的)、リーダーシップ(共感と感情的なつながり)、人間中心主義(意思決定の中心に人を据える)、スキル(さまざまな学習スタイルに対応できるハード/ソフト両面のスキル)、ツール(働く人のエンゲージメントを高めるテクノロジー)、働く環境(フレキシブルで信頼できる場づくり)だと言う。
リーダーは完璧である必要はない。むしろ…
同時に、新しいリーダーシップとは「完璧さではなく脆弱さで導く」ものだとか。
常に周囲に対し共感的であり、自ら間違いを認められる人物であり、コミュニケーションを積極的にとれることや、難しい話題についても透明性を保てることが重要だとされる。
課題に直面したときも、オープンにチームと対話し、時には自分の弱さを見せられるような柔軟性がこれからのリーダーに求められている。
SHE LOVES TECH の共同創業者リアン・ロバース氏。SHE LOVES TECHの活動を通じて多くの企業課題に向き合ってきた。
心理学者でもあるリアン・ロバース氏は「(リーダーとして)チームのメンバーのことはとても大切に思うけれど、仕事仲間であって友だちではない。その線引きが重要だと感じることがあります」と話す。
そして、チームでのコミュニケーションで難しい局面にぶちあたったときは「大人同士の対話こそが問題を解決する」とも。
「誰もが自分の内面的なコミュニケーションも大切にすべき。休息や遊びの時間をとることも忘れてはいけません」と、セルフケアの大切さにも触れた。
働く人が仕事に求めるもの、組織が提供すべきもの。これからの働く環境を考える
オリバー・ヒル氏は「私たちは仕事で目的意識を持ちたいし、職場で大人として扱われたい。ただ給料をもらうために業務を遂行することにとどまらず、より大きな仕事をしたいと考えている」そして「仕事の満足度を向上させるためには、仕事時間と場所の柔軟性の確保が重要」と、これからの働く環境のあり方についてコメント。
また「組織内の労働者が仕事と健康的な関係を確立するには、従業員が目的意識を持てるように助けながら、業務時間と場所の柔軟性も確保することが企業の課題」であると、これからの組織に必要な要素を示した。
これからのライフスタイルにフィット。柔軟な働き方のための「フレキシブル」なPC
また同会場では「新しい働き方」に寄り添うプロダクトの展示が。
SXSW Sydney 2023会場で。大画面で映画を見たり、タブレットとして抱えたり。HP Spectre Foldable 17は利用時の自由度の高さが魅力。
HP Spectre Foldable 17は、ノート、タブレット、デスクトップに切り替え可能な3in1デバイス。
シームレスに形を変える「柔軟性」が新しく、薄型、軽量。大画面が欲しいときも、2画面にしたいときも滑らかに画面が切り替わる。
HP Spectre Foldable 17の利用シーン例。キーボードのレイアウトも自在。
HP ENVY Move All-in-One 24は、家の中を自由に移動して使えるポータブル・オールインワン。ハンドルがついていて、家の中でも(時には屋外でも!)持ち運んで使える、フットワークの軽さが魅力。
高解像な視聴体験と本格的なサウンドが特徴で、映画視聴からキッチンで料理動画をチェックしたいときまで幅広く使えそうだ。
SXSW Sydney 2023会場より。HP ENVY Move All-in-One 24は新しいライフスタイルを提案。
HP ENVY Move All-in-One 24の利用シーン例。上部のハンドルを持って軽々と持ち運び可能。リビングでのヨガレッスンからキッチンでの料理動画視聴まで使い勝手の良さ抜群。
この特徴的な2つの新しいデバイスから伝わってくるのは「柔軟性」。
働き方とデバイス、双方の「フレキシビリティ=柔軟性」は、ポストパンデミック時代のキーワードであると言えそうだ。
SXSW Sydney 2023会場より。鏡面のような外壁が目を引くインテルとHPのブース。
制作協力/HP、取材・執筆/遠藤祐子(ライフハッカー編集長)、撮影/KOTARO YOKOYAMA
※本記事は、2023年 10月31日掲載lifehackerの記事の転載です。

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